なまぬるい風は隙間に怒りの声をあらわし
空を荒立てる
何を決めたとしても その音に
その色に説かされてゆく
雲から差す道筋の色
嵐は 去り際に光をくれる
光は 去り際に嵐を呼ぶ
雲の向こうに広がるはずの憧れの色
あなただけが知る世界
やまない風は強く舞い
海を山を越えてゆく
まるであなたのように 私たちをあなどりながら
はるかかなたの
聞こえるはずのないひとつの鼓動
同期する
雲のふちを彩る輝きのように
あなたは嵐を凌駕しさすらいつづける
その背に烙印を負おうとも
構わぬ瞳
今は濁る海に
荒立つ風
怒りに鳴き海原は狂う
やまない風
私たちは誓う
濁る海に また新たな光が差すのなら
そのすべてをあなたに捧げよう
新しい世界を捧げよう
020314「濁る海」